東京電機大学

理工学部 電子情報・生体医工学系

集積システム研究室

Research
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脳波や筋電図などの計測された生体信号からヒトの状態(生体情報)を読み取り,対象とする電子装置/電子機器を制御するための制御信号に変換する人間適応型インターフェース技術の開発を目指しています.また,IoT通信用の専用プロセッサやME分野のIoT計測システムなども研究しています.
1.音声想起時脳波のパターン認識への応用に関する研究
口には出さず「飲みたい」など単語を頭でイメージする「音声想起」を行うと,脳波に変化があります.音声想起は直感的にできるため,訓練の必要がありません.この変化を捉えることができるパターン認識に関する技術や,ブレインマシンインターフェース(BMI)の入力として応用について研究を行っています.
2.AIによる脳波のパターン認識と専用プロセッサに関する研究
様々なディジタル回路を実現できる電子部品としてFPGA(field-programmable gate array)があります.ハードウェア記述言語を使って,特定の処理専用のハードウェア(プロセッサ)を実現できます.ソフトウェアで行う計算を専用のハードウェアで実行できれば,リアルタイムに高度な機能が小型の機器で使用することが期待できます.そこで本研究では,脳波のパターン認識をAIで行う専用のプロセッサを設計し,応用することを研究しています.
3.BCIシステムに関する研究
脳波を用いてヒトのコミュニケーションに役立つ,インターフェースを研究しています.
4.脳波を用いた視野検査システムに関する研究
視野検査とは,まっすぐ前方を見ている時に,上下左右前方,どの位の範囲を見えているかを調べる検査です.視野検査は緑内障を始め,様々な疾患の診断及び経過観察に有用です.現在多く使われているのは被験者の応答に頼った自覚的視野計であり,本研究では,脳波を用いて被験者の応答を必要とせずに視野が測定できる他覚的かつ定量的な視野検査システムの実現を目指しています.
5.確率共鳴現象を応用した回路の研究
人体が発生する微弱な生体信号(筋電図や脳波など)を計測し,利用することは様々な分野で行われます.しかしながら,生体信号は微弱であり,周囲のノイズの中で精度良く検出ためには,高精度な増幅器などが必要となります.また,微小な信号の検出において,ノイズに埋もれた微弱なアナログ信号に,適度なノイズを付加することによって検出できる確率共鳴現象が知られています.そこで本研究では,確率共鳴現象を応用して,ノイズのある環境下でも高精度に多チャンネルで計測でき,小型で低消費電力に実現する技術の研究をしています.対象を低周波数の生体信号とし,簡易な構成による確率共鳴現象に基づく回路の実現と,生体信号計測への応用を目的としています.
6.静電容量方式に基づく計測システムに関する研究
電極を肌につける必要がない静電容量方式に基づく筋電図計測システムの研究を行っています.また,静電容量方式のインピーダンス分光法専用のプロセッサの研究を行っています.
7.IoT通信用プロセッサに関する研究
IoT通信において,URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications:超高信頼低遅延)のために,超高信頼低遅延で通信を実現するための専用プロセッサ等の研究をしています.
8.ME分野のIoT計測システムに関する研究
血液透析中の抜針事故を防止するデバイスや,無線型の電子聴診器の開発を行っています.
9.動的再構成型回路に関する研究
目標とする入出力特性を与えるとハードウェア自身が学習を繰り返し所望の動作を行う回路に進化する進化型ハードウェアに関する研究を行っています.